「最低賃金法の一部を改正する法律」が平成20年7月1日から施行されました。
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■最低賃金制度とは

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度です。

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金に限られます。以下の賃金は最低賃金の対象から除外されます。

□臨時に支払われる賃金(
結婚手当など)
□1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(
賞与など)
□所定労働時間を越える期間の労働に対して支払われる賃金
□所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
□深夜の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
精皆勤手当通勤手当家族手当


■最低賃金の種類

@地域別最低賃金
 地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、適用される最低賃金として、各都道府県ごとに1つずつ、全部で47の最低賃金が定められています。この地域別最低賃金は、@労働者の生計費、A類似の労働者の賃金、B通常の事業の支払い能力を考慮して定められています。

A産業別最低賃金
 産業別最低賃金は、特定の産業について、労使のイニシアティブにより決定されます。この産業別最低賃金は、地域別最低賃金において定める最低賃金額を上回らなければならないこととされます。

上記のほか、労働協約の拡張適用による地域的最低賃金があります。なお、1人の労働者について2以上の最低賃金が競合する場合には、最低賃金額の高いものが適用されます。


■主な改正点

□罰則の強化
 地域別最低賃金額以上の賃金が支払われない場合の罰則額の上限が、2万円から50万円に引上げられます。

□派遣労働者への最低賃金の適用
 派遣労働者には、派遣先の地域(産業)の最低賃金が適用されます。

□最低賃金額の表示の一本化
 時間額、日額、週額、月額で定めることとされていた最低賃金の表示額が、時間額のみの表示となります。


□最低賃金の減額の特例の新設
 低労働能力者などの最低賃金の適用除外が廃止され、最低賃金の減額特例が新設されます。



近年は、基本給を低く設定し、割増賃金の対象とならない家族手当や住宅手当を厚くする給与体系を取る会社が増えています。そのような会社では、自社の給与が最低賃金法に反していないか、チェックすることをお勧めします。まずは、最低賃金の対象となる賃金の1時間あたりの単価を計算し、地域別最低賃金と比較してみてください。

なお、6月21日の報道によると、政府の成長力底上げ戦略推進円卓会議で、政労使の代表は、現在全国平均で時給687円となっている最低賃金を、5年かけて段階的に小規模事業所の最も低い高卒初任給の水準まで引上げることで合意しました。小規模事業所の定義をめぐっては意見は統一されていませんが、仮に従業員10から99人規模と定義すると約755円に上がる計算となります。

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